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【88%】生活保護の脱出率を計算したら想像の10倍くらい高かったです!

 

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ナマポ太郎

こんにちは!ナマポで生活しているナマポ太郎です!

今回は生活保護の脱出率について詳しくお話します!

 

 

 

ナマポ太郎

前の内容からちょっとだけ計算しなおしました!

もっと正確な結果になりましたよ!

 

 

生活保護の脱出率とは?

 

ナマポ太郎

生活保護の脱出率はハッキリと発表されていません!

なので、算数が得意なナマポ太郎が計算します!

 

「生活保護の脱出率」は、「生活保護を新しく受け始めた人の何パーセントくらいが脱出するか」というのを表す数字ですよね。

 

つまり、生活保護の脱出率は【受給をやめた人 ÷ 新しく受給を始める人】で計算できます。

 

ナマポ太郎の公式その1

【生活保護の脱出率 = 受給をやめた人 ÷ 新しく受給を始める人】

 

たとえば、ある期間に受給をやめた人が "100人" で新しく受給を始めた人が "1000人" なら【100 ÷ 1000=0.1】となって1割、つまり "10%" という計算ですね。

 

1000人中100人しか脱出しないので脱出率は10%しかない(低い!)と考えればわかりやすいと思います。

 

 

これはあくまで例ですが、この場合は新しく受給を始めた1000人の内900人が居座っているのでほとんどみんな生活保護に入り浸っているということになります。

 

まあさすがに10%しか脱出していないなんてことはないはずですがね。

 

 

ナマポ太郎

それではちゃんとした数字を調べて計算していきます!

内容が少し難しいので最後に簡単な結果だけを解説しています!

そこだけ見たい人はコチラをクリックして移動して下さい!

 

 

計算に必要なデータを調べます!

 

ナマポ太郎

区切りが良いので期間は1年間に設定しようと思います!

欲しいデータは【1年間に生活保護をやめた人数】と【1年間に生活保護を受け始めた人数】です!

 

↓ 厚生労働省の生活保護調査のページから調べました!

URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/74-16b.html

それぞれの月のところをクリックしてリンク先で報道発表資料というPDFを開けば内容を確認できますよ!

 

 

生活保護を新しく受け始める人は、1月当たり15000世帯から20000世帯くらいです。

 

これを12倍すると1年間に新しく生活保護を受け始める世帯の数が分かります。大体20万世帯くらいですね。

 

 

あとはこれに生活保護受給者の1世帯当たりの平均人数(1.24人くらい)を掛け算すれば新しく生活保護を受け始めた人数が分かります。

 

計算をすると、1年間に新しく生活保護を受け始める人の数は "25万人" くらいだと分かりました。

 

 

次に生活保護を抜ける人の数ですが、これは発表されていませんでした。

 

しかし、"生活保護の合計人数の変化" と "新しく受け始める人の数" から計算できます。

 

 

【生活保護の合計人数の変化 = 生活保護を新しく受け始めた人の数 ー 生活保護をやめた人の数】ですからね。

 

つまり、【1年間に生活保護をやめた人の数 = 1年間に生活保護を新しく受け始めた人の数 ー 1年間の生活保護の合計人数の変化】となります。

 

ナマポ太郎の公式その2

【1年間に生活保護をやめた人の数 = 1年間に生活保護を新しく受け始めた人の数 ー 1年間の生活保護の合計人数の変化】

 

 

ナマポ太郎

生活保護の合計人数は1年あたり大体2万人くらい減っています。

これをナマポ太郎の公式2に当てはめると・・・

 

 

【1年間に生活保護をやめた人の数(2018~2019) = 25万 ー (ー2万) = 27万】

 

2018年から2019年の間に生活保護をやめた人の数はなんと27万人もいるみたいです。

 

 

新しく生活保護を受け始めた人が25万人もいるのに生活保護全体の人数が2万人も減っているわけですからね。

 

その差を取れは27万人がやめているとわかります。

 

 

次はこれをナマポ太郎の公式その1にあてはめます。

 

ナマポ太郎の公式その1

【生活保護の脱出率 = 受給をやめた人 ÷ 新しく受給を始める人】

 

【生活保護の脱出率 = 27万人 ÷ 25万人 = 1.08】つまり108%。

 

なんと100%を超えてしまいました。

 

 

1年間に25万人が生活保護を受け始めて25万人が生活保護をやめれば全員やめているので脱出率は100%です。

 

25万人が受け始めて12万5千人しかやめなかったら半分ですから50%です。

 

 

しかし今回の計算の結果では27万人がやめていますから脱出率は100%を超えます。

 

これは生活保護に入った人が元から生活保護に入っていた人を道連れにして一緒にやめていくということでしょうか。

 

 

ナマポ太郎

100%を超えるのは自然ではありませんよね。

もう少し頭をひねって考えてみましょうか。

 

 

ナマポ太郎の "非常識な閃き"

 

ナマポ太郎

脱出率が100%を超えるなんてやっぱりおかしいですよね。

その原因を色々考えてみたのですが、そのヒントは "死亡者" と "打ち切り" でした。

 

実は、生活保護を脱出する人は働き先を見つけて十分に稼げるようになった人だけではありません。

 

「生活保護を受けていたけど死亡した人」や「生活保護を不正受給して打ち切りになった人」とかもいます。

 

 

こういう人たちは脱出とはいえませんよね。

 

今知りたいのは「生活保護を受け始めた人のうちどれくらいの人がもう一度仕事を見つけて働き出すか」ということのはずです。

 

 

ここで新しい公式が登場します。

 

ナマポ太郎の公式その3

【1年間に生活保護をやめて働き出した人の数 = 1年間に生活保護をやめた人の数 ー 1年間に死亡したり不正受給で打ち切られた人の数】

 

さっきの計算では、こういう例外の人たちのことを数えてしまったせいで脱出率が100%を超えてしまいました。

 

というわけでもう一度計算し直しますね。

 

ナマポ太郎

次は「一年間に死亡する高齢者の数」や「不正受給の数」のデータが必要になります!

面倒でしたが答えを知るために頑張って調べました!

 

 

計算し直します!

 

ナマポ太郎

日本で生活保護を受けている人は200万人くらいいますが、その半分の100万人は高齢者です!

高齢者は1年間にけっこう死亡するので100万人の中の死亡者数は無視できないはずです!

 

日本では、毎年140万人くらいの高齢者が死亡します。

 

日本には3600万人くらいの高齢者がいるので毎年大体4%くらいが死亡することになりますね。

 

 

これを生活保護を受ける高齢者にも当てはめてみます。

 

生活保護を受ける高齢者は100万人くらいなので、その4%なら4万人です。

 

ナマポ太郎

生活保護を受けている高齢者は毎年だいたい4万人くらいが死亡するみたいです。

これを脱出したと考えて計算してはいけませんでしたね。

 

次は不正受給で打ち切られた人についてですが、これは生活保護を受けている人の0.4%くらいと言われています。

 

生活保護を受けている人は200万人くらいなので、200万 × 0.4 ÷ 100でだいたい8千人くらいです。

 

 

生活保護を受けている人は200万人よりも少し多いので、計算しやすいようにキリの良い1万人としておきます。

 

0.4%と聞くと少ないように思えますが、毎年不正受給で1万人近くが打ち切られていると考えると多いように思えますね。

 

ナマポ太郎

この死亡者数の4万と打ち切られた1万を計算に入れれば本当に正しい脱出率が分かります!

ちなみに若いうちに死亡する生活保護受給者はとても少ないと思うので無視しています!

 

さっきは【受給をやめた人】は27万人として計算しました。

 

しかし、実はその中の4万人は死亡した高齢者で1万人は不正受給で打ち切られた人でした。

 

 

これを引いた【27万 ー 4万 ー 1万 = 22万人】が生活保護を脱出して働き始めた人の数です。

 

これを元に脱出率を計算すると、【22万 ÷ 25万 = 0.88】つまり88%です。

 

 

9割近くが脱出しているのでこれはかなりいい結果ではないでしょうか。

 

「生活保護に入ると働かなくなる!」と言われたりしますが、これは勘違いや思い込みということですね。

 

 

もっとわかりやすく説明します!

 

ナマポ太郎

面倒な説明をしましたが、やったことは簡単です!

今からわかりやすく説明しますね!

 

まず、日本で毎年生活保護を受け始める人は大体 "25万人" くらいです。

 

そして、日本の生活保護の合計人数は人口が減っていることもあって毎年2万人ずつくらい減っています。

 

 

毎年25万人が生活保護を受け始めるのに全体の人数が2万人ずつ減るのなら、生活保護をやめる人は何人でしょうか?

 

これは【25万+2万=27万】とわかりますね。

 

毎年25万人が受け始めても毎年27万人が抜けていけば全体としては2万人ずつ減っていきますから。

 

 

そして、減っていく27万人はみんな自立して働き始めているわけではありません。

 

そのうちの4万人は死亡した高齢者、1万人は不正受給で打ち切られた人です。

 

 

つまり、ちゃんと自立した人は【27万 ー 4万 ー 1万 = 22万人】となります。

 

毎年25万人が生活保護を受け始めて22万人が生活保護から自立するというわけです。

 

 

なので脱出率は25万人のうちの22万人の割合、つまり【22万 ÷ 25万 = 0.88】となります。

 

この計算から【脱出率は88%】と分かるわけですね。

 

ナマポ太郎

スッキリ説明したので分かりやすかったと思います!

 

 

脱出率は案外高いのですよ!

 

ナマポ太郎

巷では生活保護の脱出率は数パーセントと言われています!

しかし、それはさすがに間違いです!

 

この計算はそこまで正確ではありませんが、88%というかなり大きな数字になりました。

 

数パーセントなんていうのは誰かが妄想で広めたんでしょうか。適当にもほどがありますね。

 

 

しかし、これからどんどん脱出率は下がっていくはずです。

 

高齢化が原因で "新しく生活保護を受けて自立しない高齢者" が増えるからですね。

 

 

しかし、生活保護を受けている若い人はそんなに怠け者ではなかったようです。

 

「生活保護の脱出率は低い」というのは誰かが勝手に作った悪いイメージなので、カン違いしないようにしましょう。

 

 

ナマポ太郎

マイナンバーとかを使えば最高に正確なデータが取れます。

そうすれば自立も支援できるはずなので、早くデジタル化して欲しいですね。

 

 

P・S

定年から生活保護を受け始めるパターンの人は生活保護を脱出する見込みが低いのでこれを公式1の分母から引いた方がもっと正確になります。

これは定年人口(140万人くらい)に生活保護受給者の人口割合(1.6%)を掛けたものを引けばOKです。(計算結果は95%くらい)

また、人口減少の影響は公式1の分子を大きく、分母を小さくする影響があるので逆の補正をかけた方が正確です。

総合的に考えると脱出率は大体80~90%くらいだと思います。

ただこの辺りは内容が複雑になりすぎるので割愛しました。

 

 

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